3. 準備 車の改造

 ハイエース・バンの中古車を購入し、内装をキャンピング・カーに自分で改造した。改造方法は現役時代にキャンピング・カーの製造工程をしばしば見ていたので、それらを思い出しながら改造を進めた。


 始めに暖熱材を天井やサイド、バックドアー内部、床等に挿入し、断熱対策を行った。冬の欧州は大変寒く、この処置は大変重要である。

 次に、キッチン、シンクは園芸用の小型のシンクを取り付けました。又、水は20Lのポリタンクを2個搭載して、1個は清水用でもう1個は排水を貯める為に使用。給水は風呂の水を電気洗濯機の送るポンプ(このポンプは12V用と成っている。)を使用し、床に足踏み式のスイッチを取り付け給水出来るようにした。
 戸棚、部品の保管庫(スペアー・パーツを走行予定距離又は期間により部品点数及び個数を決める)、衣類は1年分なので結構な量を保管出来るスペースが必要である。又、食材の保管場所も容量が必要である。
 ベッドは2人が寝る事の出来るもので、全て木製で折りたたみ式のベッドを造った。
 トイレは携帯トイレとして、1万円前後で現在は購入できます。北米のキャンピングカーのトイレは地表に有る排水管へキャンピングカー側からのホースを直接繋ぐ方式ですが、欧州のキャンピングカーはタンクへ貯める方式です。毎朝、ご主人が処置場所へ運んで行くのを見かけます。特に欧州では公衆トイレが大変少なく、携帯トイレは活用出来ます。
 改造用の材料費は約10万円、製作期間は半年程掛かった。(木製品のオーストラリアへの持込時は燻状消毒証明書が必要である。マレーシアから豪州への発送時、私の車も車内の物を全て降ろし、車をコンテナーに詰めて燻状消毒を行った。 

 スペアー・タイヤ2本(これも絶対必要事項です、中南米及びアジアではパンク修理屋を探すのが大変な場合が有ります。更に中南米及びアジアの大半の国の町の修理屋さんではアルミホイルの取り扱い方を知りません。ホイルを壊されてしまいますので、アルミホイルは使用してはいけません。全て鉄製のホイルを使用して下さい。)
 補助燃料タンク20L×2個を積む為に中古の大型ルーフ・ラックを取り付けた。イランからパキスタンに入国し、パキスタンの国境側の町から次の町迄約600キロ何も無い砂漠地帯を走らなければ成りません。北米や欧州では予備燃料は20Lで十分ですが、低開発国並びにオーストラリアでは予備燃料を40L積んで置く方が安心かと思います。
 冬季(ノルウエーの北極圏では真夏でも5度程でした。)室内暖房用に燃焼式ヒーターはセントラル自動車のキャンピング・カー部門にて取り付けて貰った。

  他にアラスカにて夜間熊が車に近づいて来た時、熊を驚かす為のライトをルーフ・キャリアの前後に取り付けた。結果としては、全く使用する機会が無かった。強力な懐中電灯の方が良いかと思います。

  カナダでの虫除け対策として、ラジエター・グリルに金網を貼り付けた。この虫除け金網は絶対に必要であるが、金網を見栄え良く取り付ける為、ラジエターグリルの内側に貼った。これは大きな失敗であった、ラジエターグリルに多くの虫が詰まり掃除が大変で有った。金網はラジエターグリルの外側に取り付けるべきである。
虫の体液がガラスに付き、常にウオッシャー液にて洗い流さなければ成らず、ウオッシャー液を多量に使用する。更に、毎日架キャンプ場に停車時、ボデーに付いた虫の体液を清掃しなければ成らない。もし清掃しないと、多くの蝿と蜂が虫の体液目指し寄って来る。
 
 サイドウインドーの両側に網戸を取り付けた、これは熱い地方では大変有効で有った。昼間の太陽の熱で車内が暖まり、夕方車内に風を通さなくては暑くて眠れなく成ってしまう。(出来ればバックドアー間口も網戸を取り付けると大変良いと思います。オーストラリアの夕方の暑さは生半可では有りません。)

 コーター・ウインドーガラス部は黒色の樹脂ボードを貼り、遮光と断熱を図った。

 夜、寝る為の遮光カーテンは光を通さない、厚手の生地で作られるのが良いと思います。

 車両に関する法律に付いて
右フロント・ドアー後ろに取り付けたシュノーケル(黒い筒状の物)
 車両の改造部は海外に出れば、日本の法律は適用されません。今回の旅に於いても、空気取り入れ口にシュノーケルを取り付けました。中南米やオーストラリア等では生半可な土埃の量では有りません、それらの国では殆どの車がシュノーケルを付けて居ます。ハイエースの場合、日本の法律では車幅が変化するので改造届けが必要ですが、海外に於いてはその様な法律は有りません。そこで、ハイエース用の純正シュノーケルをエクアドルで購入し取り付けて、日本へ帰国する迄各国を走行しました。(トヨタ純正のシュノーケルですが、国内では車両幅が変わる為改造届けが必要なので販売されていません。)

 海外で適応される、法律で日本に無い内容が有ります。各国で共通なのは停止表示板、他に消火器や救急箱の搭載が義務付けられている国が有ります。

 国際免許書の適用されない国が有ります、その国ではオリジナルな日本免許書を持参しなければ成りませんのでご注意を。 


 調理用ガスコンロですが、私は家で使っていたカセットタイプのガスコンロを使用しました。海外にて困ったのはガスボンベの入手でした。しかし、常に気を付けていれば、各国にあるスーパーや日本食材店、アジア食材店等で購入できました。1度に10本程購入し、常に余裕をもてる様にしていました。但し、ガスボンベ1本の値段は、欧州では3.7ユーロ(¥518)と大変高い物です。又、このガスボンベは車を船で輸送する時に、車に積み込んで置く事が出来ませんのでご注意を。


スピードメーター

 スピードメーターは一部キロメーターとマイルの併記表示されて居る車が有りますが、一般的な車はキロメーター表示のみです。私の走った国では、米国と英国の2カ国のみがマイル表示でした。

 マイル表示に備え、ケプラーにて数字を打ちスピードメーターに貼り付けました。40.50.60.70マイルの4段階でしたが、米国では30マイルが必要でした。よって、30~70マイルの表示が必要です。

 更に、ケプラーのテープを白を使用し黒の数字表示としたが、夜間走行時テープをメーターの照明の光を通さず、表示数字が読めなかった。出来れば透明のテープを使った方が良いかと思われる。

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